【天野ひかる】あるいは(映画がもたらす予期せぬ奇跡) vol.8『哀れなるものたち』(2023)R-18
お久しぶりです皆様!
ARCANA PROJECTの天野ひかるです💫
最近のアルカナちゃんは、8枚目シングル「メラメラ」のリリースイベントや夏のイベントなどで、怒涛の毎日を過ごしています!!🌻
個人的には、大学が夏休みに入ったので、まだ見れていなかった新作映画、もう一度見返したかった映画をまったり楽しんでいます( ´ ▽ ` )♡
今回お勧めするのは、2024年度アカデミー賞、主演女優賞、衣装デザイン賞、美術賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の計4部門に輝いた映画をご紹介します!
「哀れなるものたち」(2023)R-18
<予告編>
第80回ヴェネチア国際映画祭最高賞、金獅子賞受賞!『哀れなるものたち』予告編│2024年1月26日(金)公開!
https://www.youtube.com/watch?si=bxT6LkkXBBbifKYu&v=HLHUXpx05uE&feature=youtu.be
<あらすじ>
不幸な女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。 彼女は世界を知るために、放蕩者の弁護士ダンカンと大陸横断の旅に出る。貪欲に世界を吸収し、ベラは真の平等をみつけていく…
原作は、スコットランドの作家アラスター・グレイのゴシック小説「哀れなるものたち」
監督を務めたのは『女王陛下のお気に入り』(2018)『聖なる鹿殺し』(2017)のヨルゴス・ランティモス。
脚本を『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞脚色賞にノミネートされたトニー・マクナマラ。
主人公ベラを、『ラ・ラ・ランド』(2016)でアカデミー賞主演女優賞を受賞したエマ・ストーン。
今回はプロデューサーとしても名を連ね、企画の立ち上がりの段階から世界観を作り上げることに貢献している。
ベラの父親代りとなる天才外科医ゴッウィンを演じるのは、『永遠の門 ゴッホの見た未来」(2018)などでアカデミー賞に4度ノミネートされたウィリアム・デフォー。
ベラを旅に連れ出す弁護士ダンカンを『スポットライト 世紀のスクープ」(2015)などでアカデミー賞に3度ノミネートされたマーク・ラファロと名優たちが脇を固める。
(グウェンとグリーンゴブリンとハルクだ!)
R18禁な映像に驚きましたが、
素晴らしい映画体験でした。
『哀れなるものたち』は、1人の女性の成長と自立を描いた作品です。
※以下、多少のネタバレを含みます
お腹に子供がいながら橋から飛び降りた悲劇の女性は、天才外科医のゴッドウィンに拾われ、お腹にいた新生児の脳を移植される。
そうして生き返ったのがベラです。
まさに、見た目は大人、頭脳は赤ちゃん!です。
言葉をうまく話せなかったりお皿を投げたり、どうしようもなく子供なベラですが、
ゴッドウィンも驚くほどに成長は急激でした。
やがて「世界を見たい」と知識欲を持ち始めたベラは、婚約者であるマックスの制止を振り切り、弁護士のダンカンと旅に出ることになる。
ダンカンはベラが無知なことをいいことに、自分の意のままに支配しようとしていく。
(ダンカンは相当痛い男なんです…)
ベラの周りの男性たちは、ベラを守るべきか弱い存在か、支配できる格下の相手だと思い込んでいるのです。
物語序盤ではこのように、理知的な男たちと知性に欠けた未熟な女。
という性差別的な構図で描かれます。
ベラは究極のフェミニストである。
性差別は現代において、とてもセンシティブなものとして扱われるようになりました。
女には出来ない。だとか、男だからこうあるべき。というのは古い考えとなり、
性別よりも一人の人間として主体的な意思が尊重されるようになりました。
“フェミニズム”と聞くと何故かマイナスなイメージを持つ人が現れますが、最も多い誤解はフェミニズムは女性だけの権利拡大・権利獲得を目的としているというものです。
フェミニズムは女性だけではなく、すべての人間にとっての不当に差別を受けないでいられる権利の獲得と平等を目指すものです。
ベラは旅の中で様々な人間に出会い、
世界は不平等であり、あまりにも残酷という現実を知る。
物語の後半でベラは娼館へ行き、売春婦として働きます。
初めて自分の力で報酬を得ることに喜びを感じるベラですが、一方で身体を売ったことにダンカンは激怒する。
ダンカンに「売女!」となじられても、ベラは「私は自分で生活費を稼いでいる!」と言い返して、仲間の女性と社会主義者の集いへと出かけていく。
無知だった頃のベラに想いをはせるダンカンは、もう彼女のずっと後ろにいる。
哀れなダンカン…
「私の体は、私のもの。」
『哀れなるものたち』のテーマだと私は考えます。
その通り!!!!! と声を大にして言いたい。
この体も心も全ては私(あなたは、あなた)のものであり、誰かのために履くスカートでもメイクでもない。
自分を強くするため、自分が好きだからやっているのです。
婚約者であるマックスと森を二人で歩く最後のシーン。
体を改造され、好き勝手にされてきたベラは、旅を通じて一人の自立した女性になっていました。
マックスとベラは、お互いを尊重し、高めあうような理想ともいえる関係です。
エマ・ストーンはインタビューでこう語りました。
「ベラは私の愛する人”です。
ベラは女性に典型的な制約を強いる封建的な社会を知らずに育ったぶん、自由に世界を探求することができます。彼女が自分の目を通して世界をどう受け止めているかがすべてであり、人々が彼女にどう反応するかより、彼女がそれにどう反応するかが重要なのです。
ベラは精神的には幼くても、私がこれまで演じた女性の中で最も進化した人物です。」
『哀れなるものたち』は壮大な旅へと私たちを誘ってくれる。
私は旅の傍観者になるだけではなく、自分の旅を切り開いていける人間でありたいと作品を通じて強く思いました。
前文でフェミニズムとは平等を目指すものと書きましたが、平等はとても曖昧で難しいものだと思います。
しかし、平等は難しくとも”支配”のない世界を作ることはできると思います。
相手を尊重する、一人一人が思いやりのある行動で世界は変わっていくと思います。
学び続けるベラは新しい時代の主人公である!!
映画『哀れなるものたち』ぜひご覧ください✨
〜ディズニー+にて配信中〜
『哀れなるものたち』
ディズニープラスの「スター」で見放題独占配信中
© 2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.
天野ひかる/AMANO HIKARU
DEARSTAGEとLantisが共同プロデュースを手掛ける「桜野羽咲」「花宮ハナ」「相田詩音」「天野ひかる」のボーカルユニット「ARCANA PROJECT」のメンバー。タロットカードをベースにした世界観をモチーフに、メンバーそれぞれの個性溢れるボーカルとパフォーマンスでアニメ主題歌をはじめとした、様々なジャンルの楽曲を表現する。
テレ東系6局ネットで日本時間2024年7月6日(土)あさ9時から放送スタートとなる特撮ドラマ『ウルトラマンアーク』の前期エンディングテーマ『メラメラ』を2024年7月21日にリリース!
天野ひかるはディアステージ×ランティスによるグループオーディションを数ある中から見事勝ち抜いた期待の新星。歌もピアノもデッサンも得意とする才色兼備な最年少。
趣味:映画鑑賞(これまでみた映画は1000本以上)
特技:デッサン、ピアノ