東京女子流のガールズトークが炸裂!恋バナを盗み聞きするような新作『ストロベリーフロート』インタビュー
インタビューのはずが、いつの間にか女子会に!?
東京女子流が8月18日にリリースするシングル『ストロベリーフロート』は、「私たちのヒミツ」をテーマに、恋が終わる予感を歌った表題曲と、女子会で愚痴をこぼす様子を歌った“ガールズトーク”の2曲(+ミュージックカード限定で隠しトラック)を収録。10代前半でデビューした彼女たちも、いまや全員が社会人の年齢になり、ラブソングに対する解釈も当時とは比べ物にならないほど深化している。曲の主人公に感情移入し、ときに怒りを露わにするほど熱いトークを繰り広げたインタビューをぜひお楽しみください!
↓↓↓↓以下インタビュー↓↓↓↓
―東京女子流は“ラストロマンス”くらいから毎回ガラッと雰囲気の違う楽曲をリリースしているイメージがあるんですけど、今回のシングルはどんなモードで作られたんですか?
庄司:まさに“ラストロマンス”くらいから、私たち自身が毎回進化していくという感じで作っているんですけど、今回は等身大と言いますか、リアルな視点から届ける2曲になっていると思います。シングルのテーマとしては「私たちのヒミツ」を掲げていて、“ストロベリーフロート”は恋愛話、“ガールズトーク”はちょっと愚痴をこぼす感じの女子会トークを繰り広げているので、同年代の方や女性の方は共感しやすいのかなと思っています。
―男性はどんな気持ちで聴いたらいいですか?
庄司:聞いちゃいけないこと聞いちゃったみたいな、盗み聞きをしているような感覚を味わってもらえると思うんです。特に“ストロベリーフロート”は、(アイスとドリンクが)うまく混ざり合わない感じを「失恋」と掛け合わせているんですけど、すごい切なくて、実らない恋を受け入れて、最終的にはちょっと前を見ていこうかなっていう気持ちが歌詞になっていて、それを夏にピッタリな爽やかでポップな曲調に合わせているところがポイントです。
―夏と失恋というのは、ちょっと珍しい感じがしますね。
山邊:女子流は基本、実らないので(笑)。
新井:だいたい振られちゃうか、ずっと片想いしてるか、禁断の恋か(笑)。
―ファンは実らないほうが安心かもしれないですね(笑)。“ストロベリーフロート”のストーリーとしては、お付き合いしていた人がいたけど、だんだん相手にしてもらえなくなって、お別れしちゃう内容になるんですか?
中江:そうですね。だんだん想いが離れていって、もう通じ合っていたときには戻れないから、この子は最終的に離れる決意をする。それがストロベリーフロートの溶け合えない感じ、ぐちゃぐちゃになっていく感じに例えられていて、とても切ない気持ちなんです。
新井:私的には、この1曲のなかで成長過程が感じられるというか、「よく決心してくれたな」と思うんです。この子のことを思ったら、絶対に別れる方がよかったと思うので。なんか親心みたいなものが芽生えました(笑)。
山邊:すごい女の子のかわいさが詰まっている曲だと思うんですよ。私はこの女の子みたいに待てなくて、30分来なければ「帰りまーす」みたいな性格ですけど、こんなに素直な女の子を振るなんて、めちゃくちゃヒドい男だなと思いましたね。
新井:ほんと信じられないよね。待たされた時点で「それが答えだね」ってわかってるけど、まだちょっと期待を持っちゃってて。1番は「どんなカタチでも愛であれば/それでよかったのに」と歌っていたのが、「どんなカタチでも信じ合える/二人でいたかった」って、たぶん数時間のことだと思うんですけど、自分のなかの想いが崩れて、もう元には戻せなくなって。なんて言うのかな……「なんで!?」と思います(怒)。
中江:ひとみは許せないみたいです(笑)。
―めちゃくちゃ感情移入してるじゃないですか(笑)。この曲の男性は「彼女よりも大事なことがある」みたいな感じですけど、そういう人はみなさん的にはどうなんですか?
新井:その大事な用事にもよりますけど、本当に大事な用事だったら、正直に言うと思うんですよ。でも、この曲では電話の向こうから聞こえる声で「誰かといる」っていうのがわかっているし、LINEも返ってこないし、「は?」みたいな。
中江:怒ってる怒ってる(笑)。
庄司:まぁ、これはオコですよね。
新井:絶対、誰かと遊んでるじゃないですか。約束していたのに、別の人と遊ぶっていうのは考えられない。ちょっとないなぁ……って思います。
山邊:それだったら最初から言ってほしいよね。「今日は遊ぶ予定があるから、行けなくなっちゃったんだ」みたいな。
新井:それでも「他の人と遊ぶんかい!」って感じですけど。
中江:自分の優先順位が上じゃないんだなってわかった瞬間に、落ち込んじゃうと思うんですよね。その人にとって大事なことが増えて、そこに自分がいなくなっちゃったんだと思うと、すごい悲しくなります。
―こういう状況で「やっぱりお前が大事だよ」みたいなことを言われて、コロっと騙されちゃう女の子もいると思うんです。
山邊:いると思いますよ。
中江:そういう男女は止めていきたいです。
新井:うん、止めたい。
中江:「騙されないで!」って。
山邊:この曲を聴いて考え直してください。
新井:男性のほうも、この曲を聴いて心を入れ替えて、女の子を騙すようなことはしないでほしい。
中江:期待を持たせたりとかね。
―庄司さんはこの男性に対して、どう感じていますか?
山邊:「ハッキリしてよ」と思いますね。じれったく、やんわり、「まだ俺のこと好きでしょ?」みたいな感じじゃないですか。自分が男性側だとしたら、相手がツラいのはわかるから、気持ちがないならハッキリ言ってほしいし、「そんな中途半端なことしないでよ!」って思っちゃいます!(怒)
中江:いちばん怒ってるやん(笑)。
―みなさん感情移入が激しいですね。
新井:この主人公の気持ちになると、まだ彼のことが好きだから、諦めきれないんだろうなっていうのは、すごく伝わってきます。
庄司:葛藤が描かれてるよね。
―僕は「“言われなくちゃわからないよ”って/私は逆だよ」っていうところが印象的でした。
中江:わかります。「言われなくちゃわからないよ」というセリフって、ズルいと思いません?「それをあなたが言う?」っていう感じなんですよ。その場しのぎっていうか、ちょっと逃げてるじゃないですか。本当はわかっているくせに、離れるのをこちらに決意させるために言っているみたいで、ズルいなって思うんです。
庄司:だって、こっちは好きなんだもん。「こっちからは別れ告げられないよね」って思っちゃいます。
山邊:言わないでもわかってほしいとまでは思わないですけど、こうやって言ってくるのが嫌。それだったら最初から言ってくれればいいのに。言ってきたらこっちもやるから。
庄司:ここ女子会?(笑)
―貴重な話をありがとうございます(笑)。こういう感じで、いつも曲について話し合っているんですか?
庄司:おおまかなテーマや枠組みは共有しているんですけど、細かい解釈やイメージはそれぞれですね。いま私たちもガーッて言っちゃいましたけど、聴き手の方々もいろいろな意見があると思うので、そこは自由に受け取ってもらいたいと思っています。
―ちなみにフロートと言われると、コーヒーやメロンソーダを思い浮かべちゃうんですけど、ストロベリーフロートであることに対しては、どういう解釈をしているんですか?
新井:普段、ストロベリーフロートを頼むことって、なかなかないですよね。たぶん友達と「このストロベリーフロート食べに行こうよ」とか、映える感じを求めて行くと思うんですよ。それくらい特別なものだから、この恋もきっと特別な恋だったんじゃないかなと思うんです。
―なるほど! これがコーヒーフロートだったら、たいしたことない恋というか。
中江:いや、ほろ苦い恋じゃないですか?
庄司:大人な感じかも。
山邊:だから私たちにはストロベリーフロートがいいんですよ。
―そこまで深い意味があるとは思っていませんでした。今回のリリースでは熱伝導アイススプーン付きのミュージックカードも発売するそうですけど、これにも何か意味を込めているんですか?
庄司:これは歌詞のなかで混ざり合えなかった主人公たちを思って、私たちがうまく溶かして、「実りますように!」っていう願いを込めての熱伝導アイススプーンなんです。
―恋のお守り的な意味も?
庄司:そうですね。ひー(新井)と未夢がデザインしてくれました。
山邊:私が文字をデザインして、ひとみがイラストを描きました。
―この女の子は、どんなイメージで描いたんですか?
新井:ひとみです!
―自画像だったんですね。
新井:はい! それで私、このスプーンで実際にアイスを食べたんですよ。そしたらスプーンを入れた瞬間に、アイスの冷たさが手に伝わってきて。私の体温がスプーンを通してアイスが溶けたということですよね。だから「私たち混ざり合ってるね!」っていう以心伝心ができて、なんかうれしくなりました。
―「私たち」って、誰とですか?
新井:アイスです! アイス大好きなんですよ! だから以心伝心できて、すごいうれしくて。
―アイスと愛し合えたんですね……。
新井:はい(笑)。
―カップリング曲の“ガールズトーク”についてもお聞きしたいんですけど、こちらは年下の男性からアプローチされていることを女子会で愚痴る話ですよね。
中江:いままでの女子流の曲は、私たちが背伸びをして、ちょっと大人の方に恋をするけど実らないという切ないストーリーが多かったんです。でも、この曲は初めて私たちが年上のお姉さんになって、年下の男の子から好意を寄せられているんですけど、「あの子、私が影で努力してることなんてわからないんでしょうね」って女子会で愚痴をこぼしていて、その様子が歌になっているんです。だからレコーディングでも、それをイメージしながら歌ったんですけど、やっぱり初めてのシチュエーションだったので、かなり難しかったです。
―いつもより大人っぽい声になっているなと感じました。
中江:そうなんです。トーンを落として歌いました。あと、今回は全員ラップをしていて、ひとりずつ入れ替わりで出てくるんですけど、それも初めてのチャレンジで。かっこよくイケイケにラップしているっていうよりは、本当に4人で愚痴を言い合っている感じで、そこのテンション感も難しかったです。
庄司:前の部分をラップしているメンバーの声を聴いて、そのテンションに合わせにいったり。あと、今回は2曲ともイントロにガヤが入っているんですけど、この“ガールズトーク”のほうは、より盗み聞きしている感が強いと思うので、そこでもドキドキしてもらえたらうれしいです。
―このガヤ部分は何をしゃべっていたんですか?
庄司:フリートークだったんですけど、この世界観に寄せて、みんなで愚痴ってる感じで話しました。
―台本とかなかったんですか?
庄司:なかったです。もう流れに身を任せて。
中江:本当にいましゃべっているくらいのトーンで話していました。
庄司:聴いていると自分たちでもぞわっとするよね。
―実際、4人でガールズトークすることはあるんですか?
山邊:恋愛とかの話はまったくないですけど、「コンビニでこういう新商品が出たよ」とか、「これインスタで話題になってるけどチェックした?」とか、そういう話はたくさんしてますね。
新井:「ねーねー、あれあれ」「それそれ、知ってる知ってる」みたいな。
中江:そういう流行をチェックするのは、女の子は早いので。
―ちなみに4人でお酒を飲むことはあるんですか?
中江:飲んだことないですね。
山邊:私がまったくお酒飲めないので。
中江:そうだよね、未夢が飲めない。
―女子流はデビューが若かったので、最初は年上のファンしかいなかったと思うんですけど、いまは年下のファンも増えているんですか?
庄司:年下というか、同世代の子は増えていますね。当時『はなかっぱ』(東京女子流がエンディング曲を歌ったアニメ)を見ていた子が、やっと就職してライブに行けるようになりましたとか。そういうのは私たちも、うれしいというか、グッときちゃいますね。長く続けててよかったなって。
―今度はこの曲で年下ファンの獲得も。
庄司:そうですね……。
新井:がんばります……。
―なんか自信なさそうですね(笑)。
中江:年下の男の子を転がすじゃないですけど、そういうのは私たちも初めての挑戦なので、ちゃんと向き合っていきたいなと思います。
―ほとんど年上としか接してこなかった人生ですもんね。
中江:そうですね。でも、いまは私たちより年下のスタッフさんも増えていて、すごい不思議な感覚なんです。最近も「二十歳になったばっかりです」と言われて、「えー、年下だったんですか!?」って。動揺しましたね。
―「お茶買ってこい」とか言わないんですか?
中江:言わないですよ!
新井:ないですないです!
中江:なんか焦るんですよね。大人びてるというか、しっかりしてらっしゃる方が多くて。私たちはへにょへにょしているので。
―みなさん芸歴10年越えなのに。
中江:いやー。中身はあんまり変わってないんですよね。
―そうなんですね(笑)。この曲では「女心をわかってない」みたいな感じで、男の子にダメ出ししてるじゃないですか。みなさん的に共感するポイントはありますか?
「言い訳ばっかしてーんな」という歌詞があるんですけど、言い訳する人嫌ですね。これは男性に限らず嫌なんですけど。
―山邊さんを口説くのは大変そうですね。
中江:すごい大変だと思います。難しいからこそハマるんだと思うんですけど。
山邊:ちゃんと距離を保ってくれれば。
中江:距離感大事です。
―新井さんは甘えん坊なタイプだと思うんですけど。
新井:えー、でも、すごい好きな歌詞があって。最後のサビ前で「嫌いな訳じゃない/アイムオッケー?」って歌っていて、その前に「上辺だけじゃダメ」という歌詞もあるんですけど、それは言い訳とか言ってるんじゃなくて、中身を磨いてほしいんだよ、オッケー? みたいな。そこが「うわー!好きー!」ってなります。
―どういうことですか?
新井:強い女性と言いますか、ここにいろんな意味が込められてる気がして、「いったれー!」って思うんです。
―新井さん的には、この曲の女性に惚れちゃってるということですか?
新井:はい。かっこいいですよね。
―そっちでしたか(笑)。中江さんが女心的に共感したポイントは?
中江:「知らない努力を私はしてる/そんなことアナタは気づかないでしょ」は、女の子なら絶対共感すると思うんですよ。努力してる部分は見せないで、こんなことやってて当然よっていう感じで、大人な態度をしている女性って素敵だと思うんですけど、そこで「あなたはまだそれに気づけてないでしょ」って言ってる部分が、すごいかっこいいなと思います。
―僕も気づけてない側だと思うので、聞いてて心が痛いです。
中江:じゃあ、この曲を聴いて勉強してください(笑)。
―勉強させていただきます。庄司さんが女心的に共感したポイントは?
庄司:共感っていうよりは、この主人公の女性と相手の男性は、意外と似たもの同士なのかなと思ったんです。女性も「別に好きじゃない」と言ってるけど、嫌いなわけでもないし、なんなら好意を持って、服とか髪型とか努力しているわけで。相手の男性も流行りの服を着たり、おしゃれな髪型したりしているから、お互い強がっちゃってるのかな? って。だから、もっと素直になったら違う結果になっていたかもねっていう第三者目線で見ちゃいますね(笑)。その女子会の参加者みたいな気持ちです。
山邊:芽生の話を聞いて、確かにそうかもって思っちゃった。いままで男の子のほうに注目が行きがちだったけど、女性側もイエスでもノーでもなくて、嫌いなわけじゃない。「じゃあ、どっち?」みたいな。どっちかにしてあげないと、男の子がかわいそうですよね。好きじゃないなら、別に一緒にいなくていいんじゃない? と思っちゃうから。
庄司:“ストロベリーフロート”と逆パターンかも。
山邊:難しいですね、人間って。
中江:かなりレベルの高い恋の話な気がします。
―考えれば考えるほど深い作品ですね。あと、今回のミュージックカードには、隠しトラックとして“自己紹介ソング”のデモが入るそうですけど、YouTubeで制作する動画を公開されていて、30分で作ったんですよね?
中江:はい。恥ずかしいですね(笑)。
山邊:30分にしてはいい出来になったんじゃないかなって。
中江:女子流のイメージ的には、今回この曲を入れられたのは、めっちゃよかったなと思ってて。「こんな楽しいこともやってるんだ」みたいな。聴いていただくのが楽しみですね。いままで自己紹介的な曲もなかったし、新たな一面を楽しんでもらえると思います。
―YouTubeで作ったものをそのままレコーディングし直したんですか?
山邊:そうですね。あの歌詞のまま。
中江:ちゃんと間違えずに録りました(笑)。
―コール&レスポンス的な声も入っていましたけど、それも録ったんですか?
庄司:入ってます! みんなで録りました!
中江:みんなで一緒にブースに入って。
新井:楽しかったー!
―この曲をライブで披露することもあるんですか?
庄司:ちょっとライブでやるかはわからないですね。だから、ミュージックカードを買って聴いてほしい(笑)。
中江:そうだね。お宝音源みたいな。
新井:でも、いつ披露しても大丈夫なように、かけあいのところは練習しておいてほしいですね。
―抜き打ちテストがあるかも?
庄司:私たち、そういうのやりがちなので。
―いい前フリですね(笑)。自己紹介ソングも含めて3曲、改めてどんなシングルができたと感じていますか?
庄司:等身大で、より説得力のある作品ができたなと思います。かわいらしくも聴けるし、切なく共感もできるし、その時々に合わせて、いろんな聴き方のできる2曲、プラス味変で隠しトラック(笑)。今年の夏はこのシングルとともに、みなさんの恋も応援しているし、楽しい毎日を送ってもらえたらなと思います。サブスクでもたくさん再生してください!
―今年の夏のお供に。
庄司:それこそガヤも入っているから、私たちと同じ空間にいるような感覚になると思うんです。ぜひ一緒に夏を過ごしている感覚を味わってもらえたらうれしいです!
東京女子流(TOKYO GIRLS’ STYLE)
「音楽の楽しさを歌って踊って伝えたい!」
2010年結成の山邊未夢・新井ひとみ・中江友梨・庄司芽生からなるガールズ・ダンス&ボーカル・グループ。2回の武道館公演を経験し、海外での活動も日本国内と同時に精力的に行い、台北と香港でのワンマンライブをかさねるなど、楽曲センスに魅了され、ガールズグループの中では一躍、脚光を浴びる存在となった。
2017年7月には過去に提言した「アーティスト宣言」を撤回。メンバーの「アーティストなのかアイドルなのかはみていただく方に判断してほしい」という発言から、事実上“原点回帰”を宣言した。
幅広いジャンルにて、ハイクオリティな楽曲を発表し続け、ダンス&ボーカルの可能性を追求するライブパフォーマンスを見せる注目のガールズグループへ。今後の日本のポップスシーンを担うグループである。
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