【MAPA】浅草花劇場ワンマンライブ「ALL MAD PARTY – MAPA全曲ライブ-」【REPORT】

2026年9月13日、MAPAによる「ALL MAD PARTY – MAPA全曲ライブ-」が浅草花劇場で開催された。イベント名の通り、2021年にデビューしたMAPAの全曲を披露するというライブだ。
大森靖子がプロデュースするMAPAは、古正寺恵巳(こしょうじめぐみ)、宇城茉世(うしろまよ)、紫凰ゆすら(しおうゆすら)、神西笑夢(じんざいえむ)、刀歌くる美(とうかくるみ)、翠山みさ姫(みどりやまみさき)からなる6人組。
MAPAというグループ名は、「MADPARTY」を略したものだ。
7月10日には10時間ライブ「MAD SUMMER 600」を開催するなど、まさに狂った祭りを繰り広げている。その10時間ライブと並ぶ2026年の夏のイベントとして、全曲ライブが開催された。

開演時間を迎えると、オープニングSEである「On The Verge」が流れた。メンバー6人が登場すると、アコースティック・ギターの響きとともにミディアム・ナンバーの「Colorful Maiden」がスタート。その淡い余韻から、一転してポップな「KESHI♡GOMU♡MAGIC」、そして疾走感に満ちた「蒼夜ミルキーロード」へと続けた。
MCでは、神西笑夢が「完売ありがとうございます」と感謝。メンバーの自己紹介の後、紫凰ゆすらは、全曲ライブなので「『あの曲、聴けなかったなー』が絶対ない日」だと紹介した。
さらに宇城茉世はファンに「緊張してない?」と呼びかけ、「ウワッー!」と叫んだのを皮切りに、メンバーとのコールアンドレスポンスでファンにも「ワーッ!」と声を出させた。
グルーヴィーな「デートを壊せ!」は、ふだんの対バンライブではなかなか聴けない楽曲。
「レディースクリニック」では、6人の澄んだ歌声を聴かせた。「真夏の卒業式」の序盤では、メンバーが床に座ったまま踊るパフォーマンスも行い、見る者をMAPAの世界に飲み込んだ。「恋は馬鹿のすること」では、ジャジーにしてフレンチ・ポップの香りもするサウンドとともにMAPAのキュートさも見せていく。
「恋は馬鹿のすること」が終わると、神西笑夢が刀歌くる美に「何が好き?」と聞き、「パンダ」との回答。さらに古正寺恵巳にも聞くと、勢いよく「MAPA!」と答えた。さらにファンにも聞くと「MAPA!」との声が。神西笑夢は「私じゃないんだ?」と言いながら、「きりんさんがすきです、でもきみのほーがもーっとすきです」と「麒麟♡タイム」のセリフへと続け、宇城茉世がその肩を抱いて「そうだよな!」と言い、「麒麟♡タイム」が始まった。
MAPAの夏曲を代表する「SUMMER SHOOTER」では、古正寺恵巳がファンに「一部がそろそろ終わっちゃうよ、みんな座ってていいのかな?」と呼びかけた。「SUMMER SHOOTER」は、10時間ライブでは5回も歌われた楽曲だ。さらに古正寺恵巳が「みんなの声、聞かせてください!」と呼びかけて、メンバーの紹介が織り込まれた「シン・MAPA応援歌」へ。翠山みさ姫は、自身のセリフのパートで浅草ネタを織り込んでみせた。


20分ほどの幕間を挟んでの二部では、まず「MAPAの音楽、楽しみ尽くしてください!」とメンバーの影ナレが響き、メンバーが登場すると、グルーヴィーな「聴く薬」、さらにアッパーな「四天王」が披露された。

ギャルに扮した宇城茉世は、「ギャルの私からすると、ラブアンドピースがあれば今日のライブがもっと良くなる、みんなラブアンドピース、広げようよ」と呼びかけ、「レッツ・ギャル!」という声とともに、パラパラを振り付けに取り入れられている「らぶぴ」へ。10時間ライブでは、30分ほどファンと「らぶぴ」を踊り続ける過酷なコーナーがあり、ファンも一緒に踊れる状態だ。レゲエ〜ラバーズ・ロックの「BIGHOUSE」では、ときに激しくなるリズムとともにMAPAが歌い上げた。「運命テッテレー」では、テッテレー棒と呼ばれるバルーンスティックを片手に歌い踊り、最後にテッテレー棒をファンにプレゼント。
ジャズファンクの「恋愛以上期待未満」のような楽曲を歌いこなし、キュートなニュアンスも加えるあたりは、ボーカル・グループとしてのMAPAの真価を感じさせる。「レディースコミック」では、一列になったまま回転するフォーメーションも見せた。


メンバーがステージを去ると、会場に歩く音が鳴り響き、ステージのスクリーンに映像が流され、メンバーのセリフとともに「いもうと」が始まった。10時間ライブでも披露されなかった楽曲だ。わらべうたのような世界観と緊迫感を持っており、MAPAだからこそ表現できる楽曲である。その最後には神西笑夢の泣き叫ぶような笑い声が響き、そのまま切迫感に満ちた「Nirvana」へ。「Nirvana」はふだんのライブでもたびたび披露されているが、「いもうと」から「Nirvana」の流れには重みがあり、全曲ライブならではの表現を感じさせた。さらに「さよなら」と繰り返し歌う「BEBYBEBYE」へと続いた点も、構成の妙を感じさせる。
「古参LOOP」で、ファンとの関係性を生々しく描くのもMAPAならではだ。ファンク・ナンバーの「Stay Away Labyrinth」で、1番のAメロを丸ごと神西笑夢が歌う歌割りも大胆だ。「古参LOOP」から「Stay Away Labyrinth」は、この日のファンク・パートでもあった。
メンバーのセリフと歌が交錯する「Calling box」、古正寺恵巳のセリフで幕を開ける「Snowbud」と、冷ややかにして張り詰めた雰囲気の楽曲が続いた。こうした楽曲の多様さと、目まぐるしいほどに世界を変えていく大胆さもMAPAならではの魅力だ。
「Snowbud」は古正寺恵巳のセリフで終わり、メンバーが去ったステージには雨の音が響く。「Satie」のピアノが鳴ったとき、ステージにいたのは刀歌くる美ひとり。彼女がソロで歌うなか、他のメンバーも登場した。ピアノの伴奏とともに歌われる荘厳な「Satie」は、さながらMAPAによるゴスペルのようだ。6人の歌声が、悲痛なほどに切実に会場に響く。そして、ドラマティックにしてメンバーの声が幾重にも響く「雨の城」へと続いた。




「絶対運命ごっこ」は、現在のMAPAを代表する一曲だ。そこで描かれる別離の苦しみをMAPAは歌い上げ、特に落ちサビで宇城茉世、神西笑夢、古正寺恵巳と続くソロは、この楽曲のハイライトだ。
古正寺恵巳が、「ねぇ、ねぇ、覚えてる? 僕は、僕は愛から生まれたんだ」と語って始まった「怪獣GIGA」では、MAPAの叫ぶかのような歌声、あるいは叫び声そのものが響き、精神の軋みを表現していく。

MCでは、2023年に浅草花劇場などで開催した「怪獣ちゃん大行進グヮーオーッ!グヮーオーッ!ツアー」の衣装を着るにあたり、2024年加入の刀歌くる美、翠山みさ姫の衣装が新たに制作されたことが紹介された。商して、メンバーそれぞれがファンへ語りかけた。
刀歌くる美「全曲ライブということで、けっこうな曲数をやらせていただいたんですけども、MAPAは雨の曲とか雪の曲とか夏とか冬とかパラパラとか、けっこういろんな曲があって、一日で夏も冬も雨も雪もパラパラも全部やることってめったにないので、もうすっごいワクワクして。今日初めて来てくださった方にもいろんなMAPAの姿を見ていただけたライブになったんじゃないかなと思ってます。こんなにいろんな曲を大森靖子さんが全部作ってくださっていて、絶対一人ひとりに刺さる曲があると思うので、普段の生活に戻っても、今日のライブのことを思い出すたり、MAPAの曲を聴いて過ごしてくれたらとても嬉しいなと思います」
翠山みさ姫「みんなもいろんな曲をお守りにして生きてると思うんだけど、やっぱりライブがいつも短いからさ、『あの曲聴きたかった』とか毎回なると思うけど、今日は本当に本当に全部やれて、大切にしてくれる人にとっても、MAPAにとってもみんなにとってもすごい大切な日だったんじゃないかなって思います。もっとみんなのお守りになりたいの!だからこれからも一緒にMAPAと歩んでください」
神西笑夢「夏に10時間のオールナイトイベント、カウントダウンみたいなのやったじゃん?なんか、もうこっちのほうがカウントダウンだなって。『え、あと13曲じゃん』『あと12曲じゃん』『あと11曲じゃん』みたいなさ。そうやって思って聴いてたのかな、みんな? 私が見てたらどんな気持ちで見るんだろうって思いながら、けっこう踊ってたの。でも、普通に聴いてたら『あと何曲だ』って思っちゃうと思うけど、それを思わないくらい楽しんでくれて、すっごく嬉しいです。もう5年目ですけど、こんなに曲が増えててすっごく嬉しいです。全部の曲、楽しくて、とってもとっても思い出が蘇りました」
紫凰ゆすら「自分語りをします。私は大森靖子さんが作る楽曲が本当にずっと好きで、大森靖子さんをずっとファンとして追いかけてて、大森さんが『アイドルを新しく作るよ、どう?』って言なってくれて、大森さんの作ってくださる楽曲を届けるっていうアイドルになりたいと思ってMAPAに入りました。そろそろ5年になるんですけど、すごい数の楽曲をMAPAに託してくださってるじゃないですか。私はこのMAPAの6人の内側から届けられる音楽と世界と、みんなの希望があると思ってずっとやってます。まもなく5周年を迎えます。ここから先も、この大事なMAPAを届けていきたいと思っておりますので、これからも応援、どうぞよろしくお願いします」
宇城茉世「長かった……違うんですよ(笑)、長かったっていうのは、これだけ曲がいっぱいあるっていうこと。全曲ライブって、いっぱい曲がないとできない行事じゃないですか。それができるほど曲をいただけていることも歴史を刻めていて、みなさんと一緒に歩めているっていうことを実感した日になって。しかも最初からいるメンバーがいるな、一緒にいるな、みたいな気持ちになって(笑)。当たり前のように、みんなの日常にこれからも居続けたいと思います」
古正寺恵巳「今日、全曲ライブということで、セットリストを組むときに、『全曲入れていいなんて!』みたいな。スペシャルセットみたいな、『アイス全部入れていいよ』みたいな、そういう気持ち?いつも時間が決まっていて、惜しくも入れられない曲もあるなかで、こうやって全曲ライブができるなんて、なんて贅沢なんだろうと思ってきて。みんなもそうだと思うんだけど、生まれてからの道のりがあるじゃないですか。選択が一個違ったらここにたどり着いてなかったな、って思って。『あのときあっちに行ってたら、この30曲に出会えなかったのかな』とか。みんなにも出会えなかったかもしれないじゃないですか、わかんないけどね。全然違うサッカーサークルとかになったかもしれないけど(笑)、本当にそれを感じたんです。
こんなにたくさん曲をいただけてすごく感謝だし、いつかさ、1日でやりきれないくらいになるかもしれないじゃないですか。それもなんか一個、夢だなと思って。全曲ライブ5 DAYS。いっぱい夢は膨らむなって思ったりしますし。MAPAも5年くらいやらせていただいて、こうなんかけっこう余裕そうに見えたりします、私たち?『MAPA、俺がいなくても』みたいに思ってほしくなくて、一生助けてほしいんです。一生寄り添っててほしいなって。あ、ごめん、『一生』とか言っちゃいました。でも、そういう気持ちだし、それだけのことを私たちもお返ししたいと思っているので、誓いの曲を。これからもMAPAと一緒に幸せな人生を、幸せじゃなくても、人生を歩んでいってください」

本編最後に披露された「誓いの曲」とは、「アイドルを辞める日」。箱馬を椅子やお立ち台として使いながら、アイドルとファンの有限の日々を表現していった。そして歌い終えると、ステージの幕が閉じた。


ファンの拍手とMAPAコールを受け、再び幕が開くと、ステージにはすでに重なるかのようなフォーメーションのメンバーが。歌われた「ドパガキの海」は、この日が初披露の新曲だ。アコースティック・ギターの響きに誘われていく、ラップも組み込まれたロック・ナンバーで、激しいダンスも展開される。
プロデューサーの大森靖子は「ドパガキの海」に寄せて、以下のようにコメントしている。
「いつから私たちはガチだってバレないように溺れてしまったんだろう。怠惰な態度だからこそ見えてしまう景色、どうでもいい辛辣さに自らへし折った真摯さが、あの頃耳にこびりついたBGMみたいに癖になる。MAPAの夏の終わりの一曲です」
「ドパガキの海」のパフォーマンスを終えると、一音多いバージョンの「On The Verge」が流れるなか、MAPAは一言も発することなくステージを去った。演劇性も感じさせるコンセプチュアルなステージだ。そして、ステージのスクリーンでは、11月9日に渋谷WWWで「5th Year Anniversary Live “MAD PARTY”」が開催されることが発表された。


5年前の初のワンマンライブと同日、同会場での開催だ。「ドパガキの海」は、9月14日0時に配信リリースされた。
MAPAは大森靖子から多くの楽曲を託され、彼女を支える四天王バンドとともに音楽を作ってきた。それゆえに音楽性は非常に多彩であり、それに対応するボーカルやダンスの実力も培うことになった。さらに、古正寺恵巳の嗜好が色濃く反映された演劇性や美意識もあり、日本のアイドル・シーンにおいてMAPAにしかできない表現を続けてきた5年間だった。その軌跡を全曲とともに示し、さらに未来への期待をも膨らませたのが「ALL MAD PARTY – MAPA全曲ライブ-」だったのだ。
PHOTO:Masayo
TEXT:宗像明将
<セットリスト>
On The Verge
1. Colorful Maiden
2. KESHI♡GOMU♡MAGIC
3. 蒼夜ミルキーロード
4. デートを壊せ!
5. レディースクリニック
6. 真夏の卒業式
7. 恋は馬鹿のすること
8. 麒麟♡タイム
9. SUMMER SHOOTER
10. シン・MAPA応援歌
幕間
11. 聴く薬
12. 四天王
13. らぶぴ
14. BIGHOUSE
15. 運命テッテレー
16. 恋愛以上期待未満
17. レディースコミック
18. いもうと
19. Nirvana
20. BEBYBEBYE
21. 古参LOOP
22. Stay Away Labyrinth
23. Calling box
24. Snowbud
25. Satie
26. 雨の城
27. 絶対運命ごっこ
28. 怪獣GIGA
29. アイドルを辞める日
– encore –
30. ドパガキの海
On The Verge
【ライブ情報】

5th Year Anniversary Live
“MAD PARTY”
開催日:2026年11月09日(月)
Open 18:00 / Start 19:00
会場:東京 渋谷WWW
開催概要:https://madparty.tokyo/live/30491
(チケット発売日)
■ ファンクラブ先⾏抽選:2026/09/14(月)18:00-09/27(日)23:59
■ ⼀般発売:2026/10/03(土)21:00-11/08(日)23:59
販売URL:https://eplus.jp/mapa/
オフィシャルHP:https://madparty.tokyo
X(旧Twitter):https://x.com/xxxxMAPAxxxx
ファンクラブ:https://fanicon.net/fancommunities/4414
